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「秋刀魚の味」に見る花嫁の父の寂寥感

私には、娘が居ないので、「娘を嫁がせる父」の気持ちは、想像でしか知り得ない世界です。
昨日書いた「小津安二郎監督作品」には、娘を嫁がせる父親が時に登場する。

秋が近いので「秋刀魚の味」を紹介すると、この作品は、婚期を迎えた美しい娘・路子(岩下志麻)と暮らす、妻に先立たれた初老のサラリーマン(笠智衆)の姿をコメディタッチで描いたものだが、例によって、独特の淡々としたテンポとセリフ回しで物語が進んで行く。

笠智衆の父親がバーでトリスウィスキーを飲んでいるシーン、「日本が負けてよかった」と共に戦争にいった加東大介につぶやく。亡妻にどことなく似た岸田今日子のバーで軍艦マーチを聞き、酒をかたむける笠の孤独感が実にいい。

そしてラストのこのシーン



息子の三上真一郎が「俺、メシ炊いてやるから」との言葉に「ひとりぽっちかぁ?」とつぶやいて、再び軍歌を口ずさむ笠智衆。

途中で少し明るい目にアレンジされた軍歌がが入ると、平山家の屋内が何ショットも重ねられる。
恐らく、その一つ一つに刻まれた娘の思い出を見つめていたのだろうと思われるモンタージュ。

じっと佇む笠智衆。やがて狭い廊下の向こうにある台所に行くと、父は一人静かに茶瓶から湯飲みに白湯を入れて飲む。
そして映画は終わって行く。
この笠智衆の芝居が素晴らしいし、映像、カット割りも孤独感を実にうまく表現されている。
このシーンだけでも小津安二郎監督がよく伝わってくる。



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