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複眼の映像 ~黒澤 明という男.........それは閃きを掴む男である~

私は、映画の作り手が、いかにして素晴らしい作品を作ってゆくのか、そのプロセスが大好きで、ここ数日は、そんなことばか書いています。
今日も、昨日に続いて、脚本家の橋本 忍さんと黒澤 明監督の初めての作品『羅生門』誕生秘話を描きます。

橋本 忍さんは黒澤邸を出ると同時に、後悔と慙愧が始まったと著書『複眼の映像』(文集文庫)で書いていらっしゃるくらい『藪の中』を原作にした「雌雄」に『羅生門』を入れることは容易ではなかったようです。

「雌雄」は映画にして40分くらいのシナリオで、これを興行上の鉄則である90分~120分のシナリオにするには、かなり長くしなくてはなりません。

橋本さんは、さまざまに思考を巡らせて、「雌雄」を長くしました。
約一カ月あまりをかけて書き上げたシナリオは、ご自身が「ブザマな失敗作品」と評するような仕上がりだったそうです。

(F・1)
血のような夕焼け空に、黒く浮かびあがる巨大な門。

これが完成したシナリオ『羅生門物語』のファーストシーンです。
このシナリオは、後に黒澤 明監督が加筆して、タイトルも『羅生門物語』から『羅生門』になりました。

橋本 忍さんは羅生門と言う作品を通して、黒澤 明監督の人物像を、著書でこう書いています。

黒澤 明という男.........それは閃きを掴む男である。

それから、やはり『羅生門』を契機に黒澤 明監督とご一緒に仕事をするようになった世界の「ミヤガワ」こと宮川 一夫カメラマンは、黒澤監督の事を、こう言っています。

miyagawa

「黒澤さんが撮っておられた写真、画調というのは、どっちかというと、今でいうドキュメンタリーといいますか、大変シャープな絵をお望みのようだったし、僕は逆にそういう調子のものを撮ったことがなかったものですから、(一部省略)とにかくシャープな絵、今風に言うとハイビジョンのように撮れといわれても、当時のフィルムではそこまでいきませんでした。
そこで僕は台本(橋本 忍さんが書いた『羅生門』のシナリオ)を読みまして、黒澤さんと話した時に、話自体が白黒、それもコントラストの強い絵にしたほうが面白い、という事を伝えたら、黒澤さんも実際はそう考えていたと、と言う(後半省略)
(文藝別冊『黒澤 明生誕100年総特集』より)

宮川 一夫さんが「羅生門」で見せたカメラワークは、こちらに詳しく書かれていますので、ご覧下さい。

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