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沢尻エリカの文脈とは?

沢尻エリカさん(女優、歌手)の周辺が、あれこれ喧しいようです。
わたしは、映画『パッチギ!』(2005年)のリ・キョンジャ役だった彼女を知る程度で、さほど関心を持っていませんでしたが、これまでの彼女に関するマスメディアの報道には、少々訝しく感ずることがありました。

しかし、このメイキング映像から垣間見える”ナルシシスム”に、したたかな彼女の「強み」を感じます。



そこで、私は沢尻エリカさんの、コンテクストを知りたくなって、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』をググってみました。

そうすると、1986年4 月8日東京都生れ、小学校6年生の時に芸能界デビューして、16歳の2002年には『フジテレビビジュアルクイーンオブ・ザ・イヤー2002』に選出されています。

さまざまな利権と思惑が渦巻く芸能界と言われているところに、24歳にして、既に10年以上居るのですから、それなりの修羅場はくぐって来たのかな?なんて想像してしまいます。

しかし、子供の頃から芸能界に身を置く人は、何も彼女だけに限ったことがないので、それも、私にはどうでもよいのです。

ウィキを読んでいて、気がついたのが、彼女の両親が日本人の父と、アルジェリア系フランス人(アルジェリア生まれフランス育ちのベルベル人)だと言うことに気がつきました。

アルジェリア系フランス人???
浅学菲才のわたしには、意味がわかりません。

そこでベルベル人でググってみました。

ベルベル人

わたしは、ベルベル人の事をあまりに知らなさすぎるので、軽々にこれ以上を書くことを憚られますが、ウィキにあった。

「ベルベル人の歴史は侵略者との戦いと敗北の連続に彩られている。」

こうしたコンテクスト(文脈)をよく理解しないと、サッカーのジダンの行動も、事の善悪ではなく、理解が出来ないのではないだろうかと思うようになりました。
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シナリオにおける人物の彫りとは? ~主人公のコンテクスト「文脈」を設定する~

「今日は人物の掘りだな」

この台詞は、彫刻家のそれではありません。
これは、日本一脚本料の高い脚本家」として知られていた小国 英雄さん(1904年7 月9日 - 1996年2月 5日)が、脚本家の橋本 忍さん、黒澤 明監督と三人で、ある作品の脚本に関する打ち合わせの口火を切った台詞でした。

ある作品とは、1952年の『生きる』です。

simura

打ち合わせは、主人公の名前を決めるところから始まります。
主人公の名前は十二、三の名前の候補から渡邊 勘治に決まります。
三人は更に、この主人公の人物設定実にきめ細かに決めて行きます。
このあたりを、脚本家の橋本 忍さんの著書『複眼の映像』 (文春文庫)から紹介します。

小国さんが、主に脚本を描く橋本さんに質問をします。「橋本君、この男の生れはどこだ」
橋本さんは次のように答えました。

・生れは、東京下町(江東区枝川辺り)
・実家は、中小の金属加工業
・家業は、兄が継いでいる
・勘治は、旧制中学を失業して19歳で公務員に

黒澤監督が念を押します。

・両親としては、家業を兄に継がせたので、弟は堅いところへ勤めさせようと経済的に無理をして旧制中学を卒業させた。

小国さんが再び質問します。「じゃ勤め先は、江東区の区役所か?」
橋本さんは次のように答えます。

・主人公は日本のどこかの市役所の市民課課長
・年齢は五十二、三歳
・三十年勤務で、自治功労賞を貰っている
・勤務態度は、責任の範囲はこなすが、それ以外の仕事には手を出さない典型的役人タイプ
・結婚は、二十五、六歳に見合い結婚でしている
・奥さんは、小柄で口数が少なく、少し腺病質な感じ
・奥さんは、早死にしておらず、男手ひとつで育て上げた息子は嫁をめとって別居している
・渡辺勘治は、中肉中背で眼鏡はかけていない。ただし仕事で書類を見るときだけ老眼鏡をかけている
・炊事洗濯はせず通いの家政婦がそれをしている
・勤め帰りに部下と縄のれんをくぐることはなく、付き合い程度の酒は飲むが自分の金を使って酒を飲むことはない。勿論、煙草は吸わない
・三十年以上、毎晩背広のズボンをきちんと延ばし、布団の下で丁寧に寝押しをする
・昼食は、いつもうどんで、その食べ方は、先ず麺を時間をかけて啜り終わると両手で鉢をかかえてゆっくり回し汁を啜る。これを二、三度繰り返し少しだけ残した汁を見つめて鉢を置く

いかがですか、ここまで設定すると主人公 渡辺 勘治の人物像がかなり立体的になってきます。
この打ち合わせの冒頭で小国さんが言った「今日は人物の掘りだな」の言葉の意味はこれだったんです。

simura2

わたしは、このエピソードと、一昨日の平田 オリザさん(劇作家、演出家、内閣官房参与、大阪大学コミュニケーションデザインセンター教授他)のとある講座でのお話しが繋がりました。

講座でのお話しは、コミュニケーションに関するお話しだったんですが、その中で、コンテクスト(Context)についての説明がありました。
コンテクスト(Context)とは、「文脈」と訳されることが多いのですが、「前後関係」とか「背景」などと訳される事もあります。

わたしは、一昨日のお話から、橋本 忍さんの『複眼の映像』で読んだ、上のエピソードを思い出したのでした。
つまり、映画の脚本家と言うのは、主人公をだけでなく、すべての登場人物のコンテクスト(Context)を、これだけ丹念に設定しているのだ。そしてプロの俳優は、さまざまなコンテクスト(Context)を、職業的に持つことのできる人たちなんだと思ぅたのでした。
そうでないと、リアリティのある演技は、出来ないですよね。

さて、このコンテクスト(Context)ですが、日本は、高コンテクスト文化の国だそうです。

context

それがいいことなのか?或いは幸か不幸なのかは分かりませんが、島国、単一民族でほぼ単一言語、多量の移民を受け入れたことも、植民地の歴史もない。これまでは、色々言葉で説明しなくてもお互いにわかりあえる「察しの文化」でやって来ることが出来ました。

しかし、時代はグローバリズムの時代。
この時代、高コンテクスト文化圏に生きるわたしたちに求められるスキルは、同情から共感へ、そして同一化から共有へ、協調性から社交性、そして会話より対話の時代になったと平田 オリザさんは説きます。

さて、このような時代を『生きる』人たちを描いた映画は、いったいどんな主人公が出てくるのでしょう?

『NINE』とフェリーニの関係 ~イタリアの名作映画たち~

実はわたし、亡くなった父の影響もあって、イタリア映画が大変好きでして、好きな監督が何人もいます。
ロベルト・ロッセリーニ、フェデリコ・フェリーニ、ミケランジェロ・アントニオーニ、セルジオ・レオーネ、グァルティエロ・ヤコペッティ、ベルナルド・ベルトルッチ、それからジュゼッペ・トルナトーレ、ピエトロ・ジェルミ、ヴィットリオ・デ・シーカ等です。

しかしながら、ひさしくイタリア映画を見ていませんでした。
そこで、GWにイタリア映画祭が大阪でも開催されると言うので、こちらも是非行ってみたいと思います。
2001年から始まったイタリア映画祭、今年で10回目になあります。
大阪は、5月8日(金)と5月9日(土)の二日間で、会場は、ABCホール(大阪府大阪市福島区福島1-1-30)です。

大阪会場の上映作品は、
5月8日(土)
『ジュリアは夕べに出かけない』
『元カノ/カレ』
『やがて来たる者』

5月9日(日)
『まっさらな光のもとで』
『コズモナウタ-宇宙飛行士』
『頭を上げて』
『バール・マルゲリータに集う人 々』

この機会に一本でも見たいと思うのですが、日程的に8日(土)のジョルジョ・ディリッティ監督の『やがて来たる者』が見ることが出来ればいいかな?と言う状態です。

詳しくは、イタリア映画祭HPをご覧ください。


わたしがイタリア映画を好きになったのは、やはり父の影響が大きいと思います。
父は、昭和一ケタ生れでした。
田舎から大阪に出てきて、洋画をたくさんみたそうですが、中でもピエトロ・ジェルミの『刑事』やヴィットリオ・デ・シーカの『自転車泥棒』の素晴らしさを何度も、何度も聞かされているうちに、私もだんだん好きになりました。






ヴィットリオ・デ・シーカの作品は、二十歳になって『ひまわり』を見て、ヘンリー・マンシーニの哀愁感たっぷりのテーマ曲とともに強い感動を受けた事を忘れられません。



又、中学時代に見たグァルティエロ・ヤコペッティの世界残酷物語も強烈なインパクトがありました。
他にも、セルジオ・レオーネの荒野の用心棒や夕陽のガンマンも母と見に行きました。



大人になってからは、ベルナルド・ベルトルッチのアジア三部作、なかでもラスト・エンペラーやリトル・ブッダは数度見ました。



それから、ジュゼッペ・トルナトーレのニューシネマパラダイスも非常に優れた作品だと思います。



そして、やはりフェリーニです。
道は、文句なしに素晴らしいと思います。

81/2も見ましたが、当時は、何が何だかさっぱり理解できませんでした。
今、NINEが上映されていますが、フェリーニのそれをミュージカル化したというので、見比べてみたいものです。





かつて、これだけの名画を生み出して来たイタリア映画の最新事情を確かめて来ます。

映画『おくりびと』をとおして「いのち」の問題と向き合う

昨晩、TBS系列(大阪では毎日放送4Ch)で、映画『おくりびと』を放映していました。
ごらんになった方も多いと思います。
第81回アカデミー賞外国語映画賞に輝いた映画『おくりびと』は、第29回香港フィルム・アワードでも、最優秀アジア映画賞を受賞しました。
これで『おくりびと』は、累計で103の賞を受賞したことになります。

おくりびと


この映画に描かれた「納棺師」と言う職業は、実のところわたしは、この映画以前は知りませんでした。
わたしは、父を、今から30年ほど前に肺がんで亡くしました。
父は自宅で息を引き取りましたが、父が亡くなった昭和50年代当時は、確か葬儀屋の方が自宅で納棺して下さいました。その方が納棺師だっかたは、まったくもって知るよしもありません。
しかし、ここ何年も前(いや十数年前?)からは、病院で息を引き取るケースが多いと機器、自宅でのご葬儀を殆ど見かけなくなりました。

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そんな事から、最近は、人の生死にリアリティが持てなくなっているように思います。
映画では、本木雅弘扮する小林 大悟が、最初の現場で、孤独死した老女の遺体と対面し、現場の異臭と壮絶な状況に嘔吐をもよおすシーンがあったり、大悟の妻 美香(広末涼子)が、「そんな汚らわしい仕事は辞めて」と懇願される場面もあります。

わたしは、宗教家ではないので、よくわかりませんが、こう言った差別は、もしかするとわが国の宗教の歴史的な要因から来るものかも知れないのかな?と感じています。
いつか、このあたりを調べてみたいと思っています。

さて、一方で、日本の国は、自殺者の数が、昨年(2009年)迄、12年連続で3万人を超えています。
日本の自殺率は、先進国のなかでも群を抜く深刻な状態だそうで、毎日90人近い人が、日本のどこかで自ら命を絶っていることになります。

なかには、身元不明の自殺と見られる死者や行き倒れ死等、とても近代社会と思えないような現実があるようです。



話は少し変わりますが、何度かご一緒したことがある大阪府下のある映像制作会社は、独自の作品を手掛ける優れた会社です。

その会社が作った作品『未来世紀ニシナリ』は、ホームレス、ニート、生活保護、日雇い労働、孤独死、独居老人、部落、社会起業、まちづくり、地域力を描いた長編ドキュメンタリーです。

監督・脚本は、田中幸夫、山田哲夫のお二人です。
youtubeにありましたので、ご覧ください。



おくりびとや、未来世紀ニシナリをとおして、真剣に私たちは「いのち」の問題と向き合う必要があるのではと思います。

「日本の映像を海外へ販売するには?」

今日は、『香港国際フィルム&TVマーケット(フィルマート)』(Hong Kong International Film & TV Market(FILMART))参加した日本の企業のことから書きます。

先ずは、琉球放送 - RBCです。ここは、『琉神マブヤー外伝 SO!ウチナー』に英語字幕スーパーを入れて出展していたと言います。



他に北海道放送株式会社(HBC)は、北海道の美しい自然を捉えたドキュメンタリー”Focus forward ,Hokkaido"

や、ふみこの海



を出展したそうです。

東欧、中東、アフリカ等の国や地域では、これからがテレビや携帯電話が普及して行き、コンテンツ市場は急成長が期待されています。
コンテンツ不足が生じ、今後は日本の古いアニメやドラマが売れることも考えられます。

今後は、香港フィルマートのようなコンテンツマーケットでの取引が増えそうです。
現実に、
2010年6月:ハンガリーのブタペスト
2010年9月:ケニアのナイロビ
2011年3月:トルコのイスタンブール
で、マーケットが開催される予定です。

その他に、世界の映像コンテンツマーケットは

NATPE:マイアミ
MIPTV:カンヌ
MIPCom:カンヌ
Asia Telecom Forum:シンガポール
Film Festa:カンヌ、LA、トロント等
Asia Future TV:北京
Co Festa:大阪創造取引所

等です。

このように、世界のコンテンツ市場は、成長しています。市場規模は日本の10倍以上とも言われ、これからは、日本のコンテンツビジネスも世界との競争をして行かないといけません。

セミナーの最後の方で
「日本の映像を海外へ販売するには?」についての説明がありました。
それは、次のとおりです。

1.英語の資料作成(パンフレットや契約書)
2.海外へのアプローチ(マーケットへの出展や参加者として現地に行ってマーケットを体験する)
3.海外市場を念頭においた番組作り
4.Youtube,U-Stream,Youku,Facebook,Myspace等の活用です。

さて、このシリーズ、まだまだ書きたいことたくさんあるんですが、又、いつか書きたくなったら書きます。
特に「コンテンツライセンス」のお話しは、大変面白かったので、書きたいと思っています。

Hong Kong International Film & TV Market参加各国の現状 ~アジア映画の数々~

ソフト産業プラザ「イメディオ」で、イメディオ・コンテンツビジネス特別セミナー「アジア・アメリカの映像市場 ~コンテンツ海外販売・買付の可能性を探る~」リポート その3です。

今日は『香港国際フィルム&TVマーケット(フィルマート)』(Hong Kong International Film & TV Market(FILMART))への参加各国の状況です。
セミナーでは、アジア各国を中心に紹介されました。

・中国本土
参加548社中、120社と参加企業数でも大躍進です。
・アジアのアニメ関係が多数参加
中国アニメのクォリティは、まだまだ日本のそれに及ばないが、制作コストが低く、短編モノを100本纏めてセールしたりしていた。



・タイ
ドラマと映画を国家に、国が後押ししているそうです。
タイは、ホラー映画の制作がさかんで、かなりの数の作品が出されていたそうです。



セミナーでは、タイ映画の一部が上映されましたが、まざまずの出来栄えで、問題なく見ることが出来ました。

・フィリピン、マレーシア、インドネシア
様々な取り組みが行われているそうです。

①マレーシア
2006年のベネチア映画祭で上映された、マレーシアのホー・ユーハン監督の『Rain Dogs 太陽雨』です。
ホー・ユーハン監督は、アジア圏でも注目の監督です。



②韓国
チョン・ユンス監督の『Changing Partners 』(邦題:今、愛する人と暮らしていますか?)です。
出演は、イ・ドンゴン、オム・ジョンファ、ハン・チェヨン、パク・ヨンウらです。



これなど、ほんといいすね!!

③台湾
ゼロ・チョウ監督による3話構成のレズビアン映画映画『Drifting Flowers(漂浪青春)』(※邦題は『彷徨う花たち』です。



愛や自分の居場所を求めてさすらう主人公たちの姿を描いています。

④シンガポール
配給ビジネスに力を入れています。

off te fennce

OFF THE FENCE

では、ドキュメンタリーを中心に、かなりの数のコンテンツが品ぞろえされています。

これらを見ても、コンテンツビジネスが非常に元気なアジア各国の姿と、失速気味の日本の姿が俯瞰できませんか?

明日は、このシリーズの最終として、国際市場の現状や、プロダクションシステムの事を書きます。

アジア最大のフィルム・マーケット ~Hong Kong International Film & TV Market(FILMART)~

『香港国際フィルム&TVマーケット(フィルマート)』(Hong Kong International Film & TV Market(FILMART))をご存知ですか?

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フィルマートとは、今回で14回目を迎える映画、テレビ番組、エンタテイメントの展覧会の事で、3月22日~25日までHong Kong Convention & Exhibition Centreで開催されました。

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展覧会の目的は
・アジア太平洋地域における映画、TV番組、エンタテインメント関連商品の制作・配給拠点としての香港の発展を推進する
・クロスメディア、クロスビジネスの提携を促進する

とあり、主な展示は
・映画やTV番組、アニメ、デジタル・エンタテインメント/ゲーム、デジタル・イフェクト、音楽の制作、配給および購入
・映画館経営
・ビデオやDVD等の制作、配給、レンタル
・地上波/ケーブル/有料TV、衛星TVの放送局
・ラジオ局
・インターネットTV番組の制作、編集、放送
・フィルム制作および放送用の機器・テクノロジー
・娯楽産業関連のサービス
・ライセンシング
・催し物/展示会の運営
・業界団体
・金融およびエンタテインメント関連の専門サービス

です。

昨日のセミナーによると、この展覧会の規模は
・出展企業数:500社
・参加国:30カ国
・来場者数:5,000人

だったそうです。
所で、この展覧会への日本の取り組みと言えば、財団法人日本映像国際振興協会(UNIJAPAN)と独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)が共催で「ジャパン・ブース」を出していたそうです。
「ジャパン・ブース」の出展内容は、映画、TV、アニメ、音楽、ゲーム、ファッションと、なんでもアリ状態で、コンセプトが伝わらなかったと言うのが、岡野氏の感想でした。

さて、セミナーは、開催地香港のテレビ事情をセミナーへと進みます。

香港のテレビ局は、地上波2局
1.ATV
2.TVB
です。
他に、衛星やケーブル等の有料放送がありますが、殆ど上の2局で間に合ってるそうです。
テレビの視聴者世帯数を考えてみますと、2008年の人口が7,022,000人なので、これを大阪府の人口8,836,345人と比べてみても、大体3,000,000世帯くらいですが、広東省(人口95,440,000 人)や東南アジアの中国語圏をターゲットにすれば、3億人とか、4億オーダーの視聴者がいるわけで、それだけお金をかけたものを作っているそうです。

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香港で非常に面白いのは、香港の公営の放送局である『RTHK(香港ラジオテレビ 香港電台)』です。
まあ、日本でいえばNHKですが、このRTHK、自前のテレビチャンネルを持っていないので、放送をATVやTVBに委託しているそうです。

岡野氏によれば、良い企画を持ち込んで、オーケーが出れば、制作資金の提供もあるそうで、その企画を持ち込んだ会社の資本金がどうだとか、社員数がいくらだとか、やれ実績だ、ISOだとか、あまりグダグダ言わないそうです。
非常にオープンなところが、日本と大きく異なるところですね。

さて明日は、この展覧会に参加した各国の状況について書く予定ですが、実は、今このブログをアップしたのは、日付変更線を越えた時間ですが、ひと眠りしたら、尼崎市の西日本最大級、140平方メートルに及ぶ巨大鉄道ジオラマがある、ホビーのワンダーランド「ホビスタ」にこれから行くので、もしかすると、違う内容になるかも知れません。
その時は、ご容赦を(笑)

「アジア・アメリカの映像市場 ~コンテンツ海外販売・買付の可能性を探る~」vol.1

昨日(4月22日)は、大阪市住之江区南港のATCビルに行ってきました。
ニュートラムのトレードセンター前を降りたところがATCビルで、このビルに関しては、もう語りつくされていると思いますので、何も書きませんが、とにかく大きいビルです。

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平日である事を差し引いても、人影はまばらで、エスカレータにも人が乗っていませんでした。

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わたしはエレベータで6階に。
6階にも人の姿は殆どなくて、空きテナントが目立ちます。

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わたしの行き先は、ソフト産業プラザ「イメディオ」です。ここは、大阪市の委託を受けて、産・学・官の産業振興関係機関が協力して設立した財団法人 大阪市都市型産業振興センターが設置・運営をしています。

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そのソフト産業プラザ「イメディオ」で、イメディオ・コンテンツビジネス特別セミナー「アジア・アメリカの映像市場 ~コンテンツ海外販売・買付の可能性を探る~」が行われたので、受講してきました。
講師は、A.I.R Inc(大阪市鶴見区)の代表者 岡野 健将氏です。A.I.R Inc社は、メビック扇町への登録企業の一つでもあって、戦略に沿った映像制作、国内放送用海外コンテンツの権利取得、国内コンテンツの海外市場へのライセンス、メディア戦略の立案と実践、映像やメディアを活用したブランディングを業としています。

セミナーは午後4時から始まりました。
開始直後は、少ないように思った参加者も、時間が経つにつれて、どんどん増えて、会場はほぼいっぱいになりました。
参加者のほとんどがl映像コンテンツ制作会社の人たちのようでした。

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岡野 健将氏のセミナーは、冒頭、参加者への質問から始まりました。
「皆さんは、中国や韓国のアジアの国々の映像コンテンツが、日本のコンテンツより優れていると思いますか?それともまだまだ負けていないと思いますか?まだまだ負けていないと思う方は手を挙げて下さい。」

かなりの数の人が手を挙げました。
岡野氏は続けます。
「では、みなさんにこれを見ていただきましょう。」
と言って、見せられたのは、中国の歴史小説『三国演義』を題材としたテレビドラマ『三国』のTrailerでした。
5月2日から天津や重慶などの衛星テレビで放送されるそうですが、わたしは最初、見せられた動画がテレビドラマのものとは、とうてい思えませんでした。それほどスケールの大きい演出だったからです。

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NHKの大河ドラマ以上で、民放のドラマの比ではありません。
わたしは、これだけで、もうコンテンツのクォリティでも、中国は日本を凌駕したと感じてしまいましたが、
岡野氏の話は、香港で行われたフィルマート2010における商談の内容に進んで、わたしの驚きはさらに大きいものになります。

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この後の、お話は、ここ最近、私がブログに書いてきた日本のコンテンツビジネスに対する印象を裏付ける内容ばかりで、日本頑張れ!!ってことなんですが、今日のところはここまでにして、続きは明日以降何回かに分けてリポートします。

キム・ヨングン監督からのメール ~韓国の英語教育と日本~

録音風景

先日の『花開くコリア・アニメーション』で、「お散歩いこ」のキム・ヨングン、キム・イェヨン両監督から、作品内でも使われた技法で葉っぱやコインなど身近なものに絵の具をつけてスタンピングするアニメーションのワークショップに参加した事は、このブログに書きました。

ぉう゛ぇr

キム・ヨングン、キム・イェヨンのお二人の監督は、WSの冒頭に「Lover」であることを明言する姿に、非常にさわやかなものを感じていましたし、キム・ヨングン監督の説得力も素晴らしいなと感じていました。

そんなキム・ヨングン監督から昨日、私にメールが届きました。

そのまま引用します。

”Hello~ I am Young-geun Kim.
We are in Tokyo. We miss Osaka and You Sooooo much~

Thank your passion.
I was impressed your works when I made your animations.
We had a screening of our works on last Sunday.
I am sorry again that we did not prepare perfectly for our workshop and screening.

I have a plan to put videos which I shot you and our workshop in our result after finishing our trip.
Thus if you are okay I want to show your animations after making new version.
Our traveling will be finished the on this month 26.
I guess it would be finished and sent you in this month.

You can find your paper in the Planet + 1.
I hope that this work gave you pleasure.
It was a good opportunity to make new friends for me.
Thank you very much.
We would not forget you and our experiences.”

I hope that this work gave you pleasureの言葉どおり、私はこれまで考えたこともなかったような表現(視覚を覗く感覚の映像化)を知ることが出来たことが、非常に嬉しく思っています。

お二人は、共に韓国 弘益大学校のご出身です。
弘益大学校は、ソウル特別市麻浦区上水洞72-1にある大韓民国の私立大学です。
1946年に設置され、韓国全土から美術家・デザイナー・建築家・ミュージシャンを目指すの多くの学生を集めています。

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弘益大学校からは、韓国を代表する美術家やデザイナーが多く輩出されているそうです。

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さて、話しは少し逸れますが、以前にも書いたように、大前研一さんに『「知の衰退」からいかに脱出するか』(光文社刊)には、1999年のTOEFLの平均点が、日本はアジアで最下位であることや、韓国の高麗大や梨花女子大では、世界で活躍する人材を輩出する為には、英語が大事と、授業を英語でやっていること、又、大前氏が教授を務める延世大と梨花女子大では英語で授業を行っていることなども書かれています。

「知の衰退」からいかに脱出するか』では、安倍内閣発足直後の伊吹文科相が、小学校5年生以上の英語必修化について、「必修化する必要はまったくないと思う」「美しい日本語が話せないのに外国語をやってもダメだ」とのたまわったと書いてあります。

昨日は、偶々、英会話大手「ジオス」が破産申請を余儀なくされたことが報道されていました。
平成19年の「NOVA」に続いての倒産や、我が国政府の考え方。

かく言う私も、英語はダメで、まったく話しになりませんが、大前研一氏の言うように、気がつけばアジアで日本人だけが、英語が話せない?そして今日午後のセミナーでもお話しが出る予定の、活気あるアジアコンテンツ市場の中で、取り残される日本に、強い現実味を感じてしまいますね。

活気あるアジアコンテンツ市場の中で、取り残される日本はどうする?

アジアの若者の間で、韓国の音楽やファッションの人気が高まっているそうです。

経済産業省の研究会が、香港とシンガポール、インドのムンバイとタイのバンコクの4都市の若者を対象に、ふだん身につけている小物や好きなブランドなどをアンケート調査した結果。

日本製品のイメージについては、70%以上の若者が「品質がよい」と答えています。
しかし、音楽やファッション、それに映画などの分野についてはシンガポールやバンコクでは、日本よりも韓国の存在感が高まっているそうです。

先日、私が見てきたコリアンアニメ(インディーズ)でも、作品の出来映えはとても良く、アジアにおける人気の程がうかがえます。
我が国でも、音楽やアニメ、ファッションなどのコンテンツの分野の輸出を強化すべきだと、私もかねてから感じていましたので、明日22日、大阪市住之江区南港のATCビル内にあるソフト産業プラザイメディオで開催される「イメディオ・コンテンツビジネス特別セミナー」で、「アジア・アメリカの映像市場 ~コンテンツ海外販売・買付の可能性を探る~」に行って来ます。

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講師は、AIR Inc.代表の岡野健将氏です。

セミナーは、日本の映像コンテンツを海外に販売していくためにはどうすればいいのか?”をテーマに参加者とともに海外マーケットでの映像コンテンツの販売の可能性を探って行くといいます。

私は、内容の中で、やはり気になるのが、国際市場の現状で、前述のように活気あるアジアコンテンツ市場の中で、取り残される日本が心配なので、このあたりをしっかり聞いてこようと思っています。

岡野健将氏のお話しは、またこのブログでリポートします。

追記
この記事、日付が変わった頃に書いたのですが、どうも言葉足りずで、消化不良みたいなので、少しだけ追記することにしました。
日本のコンテンツ産業振興策が、まったく無策なのかと言えば、そうでもないのです。

2003年(平成14年)に知的財産基本法(平成14年法律第122号)を作って、やっているのはやってるんです。
この法律の条文から引用します。

第一章 総則
 (目的)
第一条 この法律は、内外の社会経済情勢の変化に伴い、我が国産業の国際競争力の強化
 を図ることの必要性が増大している状況にかんがみ、新たな知的財産の創造及びその効
 果的な活用による付加価値の創出を基軸とする活力ある経済社会を実現するため、知的
 財産の創造、保護及び活用に関し、基本理念及びその実現を図るために基本となる事項
 を定め、国、地方公共団体、大学等及び事業者の責務を明らかにし、並びに知的財産の
 創造、保護及び活用に関する推進計画の作成について定めるとともに、知的財産戦略本
 部を設置することにより、知的財産の創造、保護及び活用に関する施策を集中的かつ計
 画的に推進することを目的とする。

なかなか立派なもんです。

がしかし、具体的振興策のところが、問題あるなぁって思うのです。
法律の第四章で「知的財産戦略本部」を設置して、推進計画の作成とその実施の推進。
ほかに、知的財産の創造、保護及び活用に関する施策で重要なものの企画に関する調査審議、その施策の実施の推進並びに総合調整。とあり、この推進本部の主任大臣は、内閣総理大臣とする。と書いてあるのです。

ところで、この知的財産基本法、2003年に出来たと書きましたが、時の内閣総理大臣が誰だったか記憶にありますか?
そう。小泉内閣の時だったんです。

小泉内閣以後、いったい何人の内閣総理大臣が変わりましたぁ????
そして、今もご承知のていたらく。
これでは、活気あるアジアコンテンツ市場の中で、取り残されても仕方がないのかな?
(2010年4月21日 am 8:19追記)

ゴールデンウィークは寺山修司 映像詩展2010 in シネ・ヌーヴォ

もうひとつ、PLANET+1 で手にしたチラシから紹介します。
間もなく。GWを迎えます。
私は、この春から奈良県明日香で棚田と畑のオーナーになって、ほぼ毎週のように明日香に出かけては、農業の真似事をしています。

来月5月は、田んぼの荒田起こしといって、6月の田植えの準備をします。
しかし、モノの本によれば、五月を「さつき」というのは、この月は田植をする月であることから「早苗月(さなへつき)」と言っていたのが短くなったものだと言う説もあるそうです。

まあ、そんなうんちくはどうでもよくて、シネ・ヌーヴォでこの五月に、実に魅力的な映画プログラムが組まれているのです。

プログラムのタイトルは『寺山修司 映像詩展 2010』~兄・寺山修司と弟・森崎偏陸~です。

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実のところ、わたしは劇場で、寺山作品を見ていません。
私が、8ミリ映画を撮っていた時代から、ビデオに移行した頃、あるイベントで、『寺山修司&谷川俊太郎 ビデオ・レター』を見た時のインパクトが30年近く経った今も未だに鮮烈に脳裏に焼き付いています。

作品は、寺山修司と谷川俊太郎は、30年来の知己。この二人の詩人は、ビデオ映像による「往復書簡」を始める。
身辺雑記的なものから時には非日常的なものまで、様々な映像を通じて、「私とは何か」「意味と無意味」といったテーマを語り合っている。作品の最後は、寺山の死の直後、谷川からの宛先のない一通によって終わる。
と言った内容でした。

この頃、私を含めて、ビデオ映像表現を目指す人たちに、ビデオ映像の可能性を示唆した作品はなかったように思います。

その寺山修司の映像作品を5月1日~14日まで、一挙上映しようと言う企画です。
シネ・ヌーヴォは
大阪市西区九条1-20-24(地下鉄中央線「九条駅」下車 6号出口より徒歩3分、或いは 阪神なんば線「九条駅」下車 2番出口より徒歩2分)です。

わたしも、出来る限り出かけて、一本でも多く見てみたいと思っています。





シネ・ヌーヴォへのアクセスなど詳しくは

シネ・ヌーヴォ

映像文化の多様性? ~ピンクリンクの面白さ~

昨日は、韓国インディーズアニメを見てきて、最近の映像文化の多様性に驚愕を覚えます。
多分、映像ビジネスも、もうなんでもありになるでしょう。
この先は、誰にも予測がつかない時代、P・F・ドラッカーの『ネクスト・ソサエティ ―』ではありませんが、映像の 歴史が見たことのない未来がはじまるような気がしています。

そんな中で、一昨日、PLANET+1 で、おもしろいフリーペーパーを見つけました。
PINK-RINKと言う、関西のピンク映画情報紙で創刊して十年以上も続けているそうです。
編集長は、太田耕耘キさんと言うペンネームだそうで、この怪しさが何ともはやいいですね。

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この「ぴんくりんく」4月号には、☆決定!ピンキーリボン賞2009☆のゴールドピンク賞に『いくつになってもやりたい不倫』が選ばれたと大きな見出し!!

それから、上位6作品の詳細や、個人賞として、
最優秀主演女優賞:夏井亜美
最優秀助演女優賞:藍山みなみ
最優秀新人女優賞:真咲南明
殊勲女優賞:倖田季梨 佐々木由子 日高ゆりあ 吉行由実

ブルーリボン賞(1950年に創設された日本の映画賞)なら、最優秀男優賞もあるのでしょうが、さすがにピンキーリボン賞にはありません。

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なによりおもしろいなと思ったのが、投票者数でした。
23名が投票して、この票を選んだのですから、これはもうすごいっ!!
としか言いようがありません。

更に、大阪府堺市にあった、堺東映シネマ2が、今月3日から一般映画の上映を止めて、ピンク映画専門になると言うような超ローカルでレアな話題も掲載されています。

京都・七条、三十三間堂にほど近い、 本町館で、『白日夢』2009年版(愛染恭子・いまおかしんじ監督作府品)の上映情報など、ピンクの用紙いっぱいにピンク映画情報が満載されています。
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この多様性こそが、今を象徴しているようで、とても幸せな気分になりました。

花開くコリアン・アニメ~五感マイナス1をアニメにする方法~

さてさて、昨日の続きです。

上映が済んで、キム・イェヒョン監督と、アニメを見ていた人の中から、十人あまりの人たちが、プラネットプラスワンの直ぐ近くの韓国文化院に移動します。

文化院


韓国文化院では、ワークショップから参加する人たちも加わって、凡そ20人近い人たちが集まりました。

セミナールーム


セミナールームの机には、スケッチ用紙、絵具、スタンプ台、口紅等が置いてあります。

アイテム

開講に先立ち、キム・監督から、挨拶がありました。

通訳を介してでしたが、落ち着いた物腰と、明瞭な話し方に、高い知性が感じられます。今、韓国では大学の授業を、英語で行っていると聞きますが、両監督も、英語が、かなりお出来になるみたいで、グローバル社会を生きるスキルを、きちんと身につけさせようとしている、韓国の姿を感じました。

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ワークショップは、先ず、参加者が二人一組になって、韓国文化院周辺を散歩する事から、始まりました。

二人一組になって、二人が交替に目を閉じて、視覚情報を遮断して、アニメの主人公の、キム・ヨンガン君と、同じ視覚障害者の疑似体験をします。
わたしも、偶々向かい合わせに座った、若い女性と組んで、街に出て見ました。

下の動画は、持ち合わせていた、コンデジで撮ったものです。



視覚障害を持たない私は、しっかり目を閉じていても、光の強弱は感じてしまいますが、それ以外は、サポートしてくれる方のナビゲーション、顔を撫でる空気、匂い、その他の感覚が、目を閉じた瞬間から、激しく動き出すのを感じます。

ナビゲーションする方は、無論、初対面ですから、信頼関係が出来る迄は、正直なところ、恐怖感がありました。

それでも、たくさん言葉を交わしているうちに、少しずつ信頼感が、出来てくると、安心して歩けるようになって来ます。

約15分で、交替して散歩し、互いに手に触れた、幾つかのモノを持ち帰りました。

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ワークショップでは、両監督が、作品で使った技法を、オープンにして、8コマ/秒の割合で、スケッチ用紙に、街で拾って来たアイテムや、生魚(サンマ)や、ホタルイカ、石や輪ゴム、布切れ等に、絵具やスタンプ台で、着色して、散歩で体験した、風や匂い等をスタンピングを中心に表現して行きます。

秘密のアイテム

ここで、大切な事は、一枚の絵を描くのではなく、アニメを描く事です。
参加した皆さんは、キム監督の熱心なアドバイスを得て、思い思いの作品を完成させました。

アドバイス
作品


又、サウンドクリエイターのキム・監督が、PCを使って、参加者が、感じた街の音を、擬態語として録音して行きます。

録音風景

ワークショップで、出来た作品は、プラネットプラスワンで、本日上映されるとの事でしたが、残念ながらわたしは、行けませんでした。

これまで、CGアニメも含めて、アニメ制作未体験のわたしには、とてもインスパイアされた1日でした。

監督とわたし

韓国インディーズ・アニメ ~視覚以外の感覚をアニメにするには?~

今日は、NPO法人「コミュニティシネマ大阪」の理事を務める富岡邦彦氏の「プラネット・プラス・ワン」(大阪府大阪市北区中崎2丁目3-12)に行ってきました。

地下鉄谷町線の地下鉄谷町線・中崎町駅2番出口から歩いて約1分の所にあります。
ごく普通のビルの2階にあって、うっかり行き過ぎてしまいそうなシネマです。

Planet Plus One

狭くて、急な階段を上ると、女性が一人いて、チケットを売ってくれます。
人がすれ違うのがやっとの狭さの廊下には、映画のパンフレットが、いっぱい!!

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手にとってみると、「輝くハリウッド・ビューティの歴史 銀幕の女神たち」と題した4月24日~の上映案内や、シネ・ヌーヴォで予定されている「寺山修司 映像詩展2010」「神戸映画資料館」「ピンキーリボン賞2009決定」など、ついついそのままバッグにしまい込みました。

シネマの内部は、椅子席が20席ほど。
素敵な音響設備が用意されていて、オッケーです。

Planet Plus One 3

さて、今日の上映プリグラムは、韓国唯一のインディーズ・アニメーションフェスティバルの紹介上映で、タイトルは、「花開くコリア・アニメーション」です。

上映は、12:00~のAプロ(69min/11作)、13:20からのBプロ(75min/9作)、そして、14:45~のCプロ(72min/12作)でしたが、私はCプロ(72min/12作)を見ました。

上映作品の内訳は

・「走り続けるインカさん/ Mr.Inka Never Stops」
・「道を失った子どもたち/Losted Child」
・「Blind」
・「僕は今日/Today I」
・「Crane Elephant」
・「The Gift」
・「アザー・シーズン/The Coming newly Seasons」
・廃棄携帯回収大作戦/Old Mobile Phones Collecting Strategy」
・「季節泥棒/Season Thief」
・「冬のハリネズミくん/Hooaaaaamm..」
・「お散歩いこ / Shall We Take a Walk?」
・「ティ・ティリブーのマンディンさん/ Tittilibou Mr.Manding」
です。

いずれも、なかなかの作品ばかりで、72minは瞬く間に過ぎてゆきました。

わたしは、
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「季節泥棒/Season Thief」

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「廃棄携帯回収大作戦/Old Mobile Phones Collecting Strategy」

などの作品が好きですが、やはり何より、インディ・アニフェスト2009学生部門優秀賞、観客賞のダブル受賞をした作品「お散歩いこ / Shall We Take a Walk?」が良かったと思います。

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この作品は、視覚障害者を持つ子ども(キム・ヨンガン君)は、勉強よりも粘土細工など、何かを作るのが得意な少年。そんなヨンガン君は、入院しているお姉さんのために立体地図をつくります。

出来上がった立体地図の上を、お姉さんの手をとって、バーチャルな散歩に出かけます。
美大生のキム・イェヨン監督と、視覚障害児が一年あまりの時間をかけてつくりあげました。
監督は、視覚にかたよりがちな、今の情報社会にあって、視覚以外の感覚(聴覚、触覚、味覚、嗅覚)をいかにアニメ化するかに挑んだ様子がとてもよく伝わってきます。

上映終了後、キム・イェヨン監督がゲストと登場して、挨拶をしました。

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監督は、ごらんのとおりのスレンダー美人です。
この作品で、彼女は主にアート・ディレクター的役割を担い、音楽をはじめとする音響効果部門は、彼女の恋人でもある、キム・ユングンさんが担当しました。

挨拶の後は、質問にも笑顔でこたえてくれました。
この後、場所を大阪韓国文化院に移して、キム・ヨングン、キム・イェヨン両監督による、生魚や、ホタルイカ、石や、葉っぱ、輪ゴムに絵の具をつけてスタンピングする作品の中でも使われた、アニメ技法ののワークショップがあったので、そちらにも行きました。

そちらの方は、又明日書きます。

芸術異分野のコラボ ~『第七回彩雅草展』ビデオリポート~

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今日は、京都に行ってきました。
行き先は、法然院です。目的は、先日のブログに書いた、アーティスト集団「彩雅草」の『第七回彩雅草展』を見に行くことでした。
京阪電車の終点「出町柳」から京都市バスで「浄土寺」まで。

そこから歩いて五分くらいで法然院に着きます。

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ごらんのとおり、山門は素晴らしい佇まいです。

山門を入ると、両側に白い盛り砂がありました。二つの砂壇の間を通ることは、心身を清めて浄域に入ることを意味しているそうで白砂壇(びゃくさだん)と言います。

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白砂壇(びゃくさだん)を過ぎて右手に寺の講堂があり、ここが今回の展覧会場です。

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午後1時過ぎでしたが、未だ展示作業が行われている中を、受付で署名。
早速、お目当ての写真家 原田原田文裕さんを探します。

すぐにお目にかかる事が出来たので、ご挨拶をして作品を拝見させてもらいました。

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絵画のように見えますが、いずれも原田さんの作品で、勿論「写真」です。

さて、少し話しがアートからはずれるかもしれませんが、最近『コラボレーション』と言う言葉を、あちこちで聞きます。
事業分野でも、「協調的」なスタイルが増えています。
これからますます協力関係、提携、ジョイントベンチャー、産学協同等々、あらゆる分野でのもろもろの協力関係が、成長の大きな鍵を握ると言えます。

そこで、アートの分野でのコラボレーションの先駆けであるアーティスト集団「彩雅草」の代表である原田原田文裕さんに、そのあたりをインタビューしました。



原田さんは、次なるコラボプロジェクトとして、富田林市の寺内町の町並みを、今回の展覧会での作品で見せて下さった表現を用いて取り組む計画があるそうです。

私は、出来ればそのコラボプロジェクトのドキュメントを是非撮りたいですねと、お願いして来ました。
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過激ビデオまね暴走 ~性犯罪と映像の関係は?~

昨日は仮想現実やら拡張現実の話しを書きましたが、実は昨日の讀賣新聞(すみません、いつも読売ばかりで....笑)にこんなコラムが掲載されていて、仮想現実やら拡張現実の話しと無関係ではないな?と感じて、ちょっと気になったので、今日書きます。

コラムは「性暴力を問う~被害者たちの叫び」と題された特集で、昨日はその二回目で、性犯罪とレイプなどを扱ったAVの影響を、犯罪を犯した加害者、そして被害者。
警察庁科学警察研修所の調査結果、それにこの種問題を研究する人たちの意見などを掲載していました。

陵辱

・犯罪を犯した少年の言葉
「AVを見て、僕にもできると思った」
「女性はレイプを嫌がっても、最後にはAVのように喜んで抵抗しなくなると思っていた」

・被害者の言葉
「犯罪の手口を教えているようなもの。現実に、こうして被害者もいるのに、なぜ野放しになっているのでしょうか」

・警察庁科学警察研究所の調査
「AVと同じことをしてみたかった」97~98年に、性犯罪の容疑者を対象に行った調査で33%の容疑者がこう回答した。

・判例
約9年前、福島市内で12人の女性を襲った高校生(当時)の被告への判決で、被告は「AVの影響による人格形成のゆがみがあった」と指摘。この被告は、小学生から暴力的AVに漬かり、視聴だけでは飽き足らなくなったことが動機だったという。

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・様々な意見
AVは、欲求を発散させる効果があり、犯罪抑止につながる
暴力的ポルノが女性に対する攻撃性を増長させる
見続けているうちに、『レイプは大したことない』と、性暴力を容認する価値観に偏る危険性がある。
AVを視る人は“理性的な大人”ばかりではない

わたしは、このコラムに触発されて、日本刑事政策研究会のHPから、大場 玲子さんと言う方の論文を見つけました。

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それによれば、上のグラフのように、強姦の認知件数・検挙件数・検挙人員は、認知件数は,昭和39年に戦後最多を記録した後,長期減少傾向ないし横ばいでしたが、平成9年以降増加傾向に転じています。
平成15年には昭和57年以降最多となり,その後,減少していますが、一方、強制わいせつとなると、こんなグラフになります。

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認知件数は,平成11年以降急増し,15年には戦後最多となっています。
論文では、これと過激AVの関係は論じられていませんが、今後、是非研究して頂きたいです。

・もうひとつ、今度はAVを作る側の意見
「暴力的なものも売れるから作るんですよ。制作側は、いちいち後ろめたさなんて感じない」
「『本物です』とうたった強姦(ごうかん)モノもあるけど、しょせん演出。信じる人なんて本当にいるのかな」

・最後に私の意見
ネットでの配信などもあり、性暴力をあっ使った映像をを規制仕切れないと思います。
だから、青少年に対する「映像リテラシー」つまり、映像視聴能力、映像制作能力、映像活用能力を身につける事が大事なように思うのすが?いかがでしょう?


拡張現実を現実に ~MITが開発したSurround Vision~

このブログを始めてから、アニメに関する知識が少しは増えたかな?と感じています。
そこで、今日は『電脳コイル』について書くことにします。

『電脳コイル』は、2007年5 月12日 ~ 2007年12月1日の間に全26話をNHK教育テレビで放送された作品です。
わたしは、このアニメを見ていませんが、90年代以降、日本のアニメに確実に影響を与えたとされるアニメーター「磯 光雄」氏の原案・初監督作品です。

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作品を見ていないので、詳しくは分からないのですが、物語は、202X年。
登場人物は「電脳メガネ」によって、電脳世界の情報と現実世界に重ねて表示され操作できるようになっていて、普通の小学生の主人公が、サイバーパンクなトラブルに巻き込まれていく話しだと言いますが、さっぱりわかりません。

こういうのを、バーチャルリアリティ(仮想現実)と対をなす拡張現実(Augmented Reality)と言うらしいのですが、いよいよ理解の範疇を超えてしまいます。

そこで、調べてみると「拡張現実」は、現実の環境(の一部)に付加情報としてバーチャルな物体を電子情報として合成提示するのが、特徴らしいことが分かりました。

合成提示される電子情報をアノテーション(annotation)と呼ぶそうです。
そう言えばyoutubeにも、アノテーションで動画に説明を付加することが出来るようになっていますね。
まあ、そんなものだと理解して次に進みます。

ところで、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者が、テレビとポータブルデバイスの組み合わせで、「テレビ画面の外」にあるものまで見ることができる『拡張現実』技術を開発したと言うではありませんか。

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上の写真を説明します。
テレビ画面は、センターカメラの映像が再生されています。
見ている人がポータブルデバイスをテレビ画面の方向にに向けると、ポータブルデバイスにも同じ映像が表示され、見ている人がポータブルデバイスをテレビ画面の右や左に向けると、別の視点(別のカメラで撮った映像)に切り替わる
と言うもので、前説で書いた「電脳メガネ」みたいなもので、現実の環境(の一部)に付加情報としてバーチャルな物体を電子情報として合成提示しているではありませんか。

Surround Visionと名付けられた、装置の秘密はポータブルデバイスに追加された磁気計(方位磁針)だそうですが、なかなか良くできています。

以前書いた、手作り3Dカメラといい、このSurround Visionといい、アメリカの新技術開発の底力の強さを感じてしまいます。



芸術異分野のコラボレーション ~『第七回彩雅草展』~

今日は「映像」や「映画」から少し離れた事を書かせてもらいます。
知人で、写真家の原田文裕さんが代表を務める、アーティスト集団「彩雅草」が4月15日(木)~4月21日(水)迄の7日間、京都市左京区鹿ヶ谷の法然院で、開催する『第七回彩雅草展』の告知です。

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アーティスト集団「彩雅草」は、芸術の各分野で活動している作家たちの集団で芸術異分野のコラボレーションによって、それぞれ自己を深化させるとともに、真を究めることを理念にして活動をしています。

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代表は、写真家の原田文裕さん、原田さんは、NHKの連続テレビ小説「ウェルかめ」の舞台になった徳島県日和佐町のお生まれで、写真専門学校で30余年写真も写真教育に携わり昨年(2009年秋)に瑞宝単光章を受章されています。

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「彩雅草」のメンバーは、建築家の歌一洋(うた いちよう)氏、歌氏は、2001年から四国88ケ所ヘンロ小屋プロジェクトを推進しておられ、空海(弘法大師)開創の「四国八十八ケ所」の巡礼の道1400kmを歩いて、お遍路される方がのための休憩仮眠のできる小屋を88ケ所に十数年かけてつくるプロジェクトを、ボランティアで実施されていて有名です。

他のメンバーは
・志水 清純(表具)
・吉井 秀文(絵画)
・INOUEINOUE 青■(■は光辺に皇)(墨彩画)
・草場 あき(ガラス サンドブラスト)
・はたのりこ(彫刻)
・森信 航太郎(絵画)
・善村 文瑞(墨象・書道)

順不同 敬称略

で、それぞれの素晴らしい作品が展示されます。
わたしも15日には行く予定です。


『第七回彩雅草展』は、午前10時~16時迄です。

法然院へのアクセスは、こちらから

映画の上映環境に地域格差の是正 ~頑張る市民自発型コミュニティシネマ~

一般社団法人日本映画製作者連盟のホームページには、日本映画産業統計と言うページがあって、貴重なデータが数多く掲載されています。

例えば1980年~2008年迄の間の配給収入上位作品だとか、過去データ一覧(1955年~2009年)や、2009年12月末現在の全国スクリーン数等です。

これを紐解いてみると、小生が10歳の1960年には、全国のスクリーン数が、7,457で、この年の映画の興行収入が、72,798百万円です。おもしろいのはこの頃の入場料金なんですが、平均72円だったそうですから総入場奢数は、1,014,364千人ととてつもなく大きい数字です。

現に、私が幼い頃、家にはテレビがなく、父が会社から帰って来て、夕食を済ませると、よく歩いて数分のところに、東映の映画館があって、片岡 千恵蔵だの市川右太衛門、大川 橋蔵だとかの映画を見に行きました。
中学くらいまでは、日活や東宝、松竹の映画館もすぐ近くにありましたが、今はその跡形もありません。

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さて、話しを元に戻して、一般社団法人日本映画製作者連盟の過去データ一覧によれば、それが10年たった1970年(私は二十歳だった)には、スクリーン数は3,246で実に4,000以上も少なくなっています。
興業収入は、254,799百万円ですから、約4分の1に激減しています。
このデータを見ると、その後1994年頃から少しずつ反転してスクリーン数は増えてきています。

が、しかしです。
2009年12月末現在の全国スクリーン数を見ると、色々考えさせられてしまいます。
それは、地方のスクリーン数の少なさです。

これでは、映画の上映環境に地域格差が歴然とあるとしか言いようがありません。
そこで、最近各地に誕生しているのが、コミュニティシネマと言うわけです。

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コミュニティシネマの在り方も多様ですが、例えば私の知人は、山口県萩市の出身で、萩市にある映画館「萩ツインシネマ」の事を聞きました。

萩市にも、昭和40年代頃には、東映、東宝等5館も映画館があったそうですが、今では、このツインシネマ1館だけ
になっています。
PO法人萩コミュニティシネマ 理事長 高雄 一壽氏は、萩から映画の灯火を消すなとツインシネマを支える会を立ち上げて、寄付金などで運営しているそうです。
萩で暮らす子ども達やす高齢者の夢と希望と生きがいのためにも、是非がんばって欲しいと思います。

ところでこの、2009年12月末現在の全国スクリーン数で下位に甘んじているのが、徳島や高知です。
そこで、こうちコミュニティシネマをググってみると、そこにはやはり、高知市の中心商店街の空洞化が進んで、映画館が徐々に姿を消している一方で郊外にはシネコンが出店し、スクリーン数は増えても上映作品数が減っていること、
こどもやお年寄り、車を持たない人の映画鑑賞機会が失われている事を訴え、地域に密着した「コミュニティシネマ」で、映画と映画が取り持つさまざまな文化を発信したいと書いています。

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おそらく事例にあげたような市民自発型のコミュニティシネマは、資金面などで、運営はなかなかご苦労があろうかと推察しますが、私のようなもののブログからでも、映像文化と通して、こうちコミュニティシネマの皆さんが言うように、再び街に文化とにぎわいを取りもどす事が出来たらいいなと思います。

文芸エロスや官能エロス的作品がずらり ~新開地映画祭~

実は昔、私の映像作品が、ある外国の映画祭に招待されたことがあります。
但し、その時ちょうど病気入院中で、出品の為に準備しなければならない事が出来なくて(ビデオテープの方式変換NTSA方式からPAL方式に、それからナレーションやテロップの英語化等)断念しました。

ところで、私がこのブログでも書いた「大阪アジアン映画祭」そして同じく先月は沖縄で「沖縄映画祭」が行われていて、友人が沖縄まで行っていました。

現在、我が国で約100近くの歳で所謂「映画祭」というものが開催されているそうです。
映画祭のタイトルは、沖縄映画祭とか京都映画祭のように開催地の地名を頭にしたものが多いようです。

しかし、幾つか見て行くと、「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」とか「さらば、戦争映画祭」とか、「福祉映画祭 IN NAGOYA」だとかと実に多様な映画祭があるようです。

それぞれに、ドキュメンタリー、ミステリー、或いはコメディとジャンル別に上映作品を絞ったり、インディーズ作品の上映に特化したり、新人監督や俳優、女優の発掘と言うのもあるでしょう。

いずれにしても、映像文化の発展になり、それがひいては映像産業の振興にも繋がれば、言うことはありません。

そんな各地の映画祭を全部見て回るわけには、行かないので、今年は、近畿の映画祭を一つでも多く観てやろうと、幾つか候補をと思って探していると、「新開地映画祭」と遭遇しました。

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神戸は、私が大好きな街の一つで、今の時代、神戸の繁華街と言うと、つい三宮や元町が思い浮かびますが、ぞて以前は、もう少し西の「新開地」が、一番の繁華街だったそうです。

現在は、神戸で唯一、名画座が残る地区として注目を浴び、関西一円の映画ファンから高い支持を得ています。
おもしろ飲食店もたくさんあり、私にはちょっとディープな神戸で、好きな街の一つです。

新開地映画祭は、女性映画ファンに向けに、毎年秋に定期開催されて、昨年2009年は、第七回でした。
昨年のテーマは、"Love & Eros"で、「オンナ度50%アップ “ Love & Eros ”」をキーワードにした作品が三日間で7本上映されたようです。

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過去6年間の上映作品リストを見ても、例えば「赫い髪の女」とか、「団地妻 昼下りの情事」それから「瀝東綺譚」とか「痴人の愛」とか、文芸エロスや官能エロス的作品がずらり。
では、第7回新開地映画祭ラインナップから、「聴かれた女」の予告編(Man, Woman and the Wall (2006) trailer )
をどうぞ!!




今年もおそらく10月開催だと思うのですが、今からこれも楽しみな映画祭です。
あっ!!でもこの映画祭、女性限定だったかな?

キャノンから待望のファイルベース記録の業務用ビデオカメラ

キヤノンから昨日(4月8日)非常に魅力的な新型ビデオカメラが発表されました。

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「XF305」と「XF300」の二機種です。

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未だ、実機を見ていませんが、わたしはこのデザインが非常に好ましいです。
クリエイタースピリットをくすぐる、アグレッシブな感じがたまらないです。

デザインだけでなく、備えた機能も非常に革新的な魅力にあふれています。

①ファイルベースの記録
キャノンのビデオカメラは、これまで使ったことがありませんが、XL H1などは非常にカッコいいモデルで、予てから欲しいと思っていました。
しかし、Panasonic等がSDカードを使った、AG-HMC155U等の魅力あるカメラを出して来ている中でも、キャノンさんは、2008年12月に「XH G1S/A1S」ではやはり、miniDVテープを採用するなど、私としてはキャノンが、業務用カメラで何時、ファイルベースの記録をカメラを出すのか、関心がありました。

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今回のカメラでキャノンは、記録メディアにCFカードを採用しています。

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CFカードは、どちらかと言えば古いメディアですが、大容量と転送速度の速さ(写真は600倍速 90MB/s)からから一眼レフデジタルカメラなどで広く使われています。この選択にもカメラメーカーの独自性を感じます。

②放送局仕様の高画質方式、4:2:2+フルHD記録

映像を構成する信号には、輝度信号(Y信号)と色差信号(Pb、Pr。)があります。
色差信号の情報量は輝度信号よりも少ないので、輝度信号4に対して色差信号を1を記録する方を4:2:0方式と言い
このフォーマットは、私が今使っている業務用のハンディカメラの主流です。
これに対して、輝度信号 4に対して色差信号を2ずつ記録するのが、放送用フォーマットの4:2:2方式です。
今回発売予定の2機種では、この4:2:2方式を採用しています。
これにより、色差信号の解像度が倍になり、微細な色表現が可能になるはずです。

③MPEG-2 Long GOP方式の採用

PanasonicとSONYがが基本仕様を策定したハイビジョン動画記録フォーマットは、映像に高効率符号化が可能なH.264/MPEG-4 AVC方式を採用しており、カメラをとテレビをつないで編集をしないで見るのには問題がないのですが、PC編集のハードルが高かったように思います。(相当ハイスペックでないと)

しかし、今回キャノンから発売される二機種は、MPEG-2 Long GOP方式を採用していて、コンピューターへの負担が少なく、スムーズな編集が期待できそうです。
又、映像データの記録レートが、50Mbpsと高く設定できるので、ブロックノイズも少ないのではと思っています。
つまり、クオリティの高い映像が記録出来そうです。

価格は
「XF305」:84万円
「XF300」:73万5,000円

で6月発売予定です。

詳しくは、
キャノンホームページから

アフレコ ~ピンク映画のアノ声はアフレコだった~

わたしは、自分の作品(主に記録物)で、よく自らナレーションをやりました。
最初の頃は、自分の声を聞くのがとても恥ずかしいと思っていましたが、慣れるにつれて、ある種のナルシシスムみたいなものがわいてきて、いつしか自分の声を「ええ声ぇ!!」と思うようになりました。(笑)

当時はリニア編集時代でしたので、編集室の音関係の機材と言えば、CDプレイヤー、カセットデッキ、マイク、ミキサー等です。
わたしの場合、すべて一人でやってたので、デスクの上にナレーションの原稿を置いて準備を整えエディティング・コントローラーで、各々編集in点、out点を指定した後、EDITボタンをポンと押した瞬間、右手はCDプレイヤーか、カセットデッキのプレイボタンに近づけながら、目は現行に......

編集機が動作をはじめて、あらかじめBGMとナレーションを入れるポイントになると、BGMをスタートさせ、ナレーションを喋る。
読み間違いや、かんだりするとやり直し。

それでも、なんとも言えない緊張感が好きでした。

さて、前置きが長くなりましたが、このように撮影した後で、映像に合わせて、ナレーションや音楽、時には効果音などを入れる事を『アフレコ』と言うのは、大抵の方がご存じでしょう。

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ビデオカメラや、こんにちのデジタル一眼やコンパクトデジカメでも生まれながらにして「マイク」を持っています。
しかし、このマイクだけでは、なかなか映像で伝えたい「音」を録ることは難しいと思います。

プロの世界では、必ず「録音」と言う一つの仕事のジャンルがあるくらい、音は映像の大切な要素です。
よく撮影現場に出くわすとADみたいな人が「はい、それでは本番行きます。お静かにお願いします。!!」なんて言っていますが、ちょっと近所の犬が吠えたりすると、リテイクになったりして、最適な環境を作るのに結構時間がかかります。
そこで、ローコストで映画を制作する手法としてアフレコを多用した例がありました。

それは、1960年代にあった所謂「ピンク映画」だそうです。
わたしは、これらの映画(新東宝映画、大蔵映画、新日本映像、国映等)をよく見に行きました。

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これは、最近知った事なのですが、ピンク映画は予算が無いので(300万円程度)、早撮りしなければならず、我々が期待する、あのシーンでの女優さんの、あの時の声をセットで効率よく録音することが難しかったらしく、あの声「アハン」とかは、アフレコをしていたと言うではありませんか。

そんな映画制作の裏側を知らなかった当時のわたしには、随分刺激的に聞こえたものでした。
なんでもアリのネット上のアダルト映像の今の時代からすれば、なんともほのぼのした話題のように感じてしまいますね。



コンデジで撮った動画を簡単に『iPhone』『PSP』で見られるソフト ~「Miro Video Converter」~

窓の杜(まどのもり)は、Windows用のオンラインソフトウェアを紹介するウェブサイトで、私も度々お世話になっています。
その窓の杜で、とても面白いソフトを見つけました。

ソフトの名前は、「Miro Video Converter」と言います。
概要は次のとおりです。

①用途:さまざまな動画を各種携帯機器向けのファイル形式へ変換する。

②サポートされるデバイス
●Android携帯 
Droid / Milestone
Nexus One
G1
Magic / myTouch
Droid Eris
HTC Hero
Cliq
Behold

●アップルデバイス
iPhone / iPod Touch
iPod Classic
iPod Nano

●その他
PSP

です。

ダウンロードサイトの下部には、ミロのビデオコンバーターは MP4、Theoraは、またはMP3に(オーディオ、事実上すべてのビデオファイルを変換することができますとあり、上記以外のファイル形式もずらりと並んでいます。

私も、早速ダウンロードしてみました。
ダウンロードはこちら

起動画面は、こんな感じです。

みろ

変換の仕方は、先ず画面中央部の英文のアンダーラインが引いてある部分 choose a file(ファイルを選択)をクリックして、変換したい動画ファイルを選びます。

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miro2

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変換されたファイルは、変換元のファイルと同じディレクトリに保存されます。

iphpneをお使いの方も、Xperiaなど、これからAndroid携帯を使おうと言う方にも便利なソフトです。

聖地巡礼はシネマツーリズム ~フィルムコミッションとのコラボは?~

一昨日のブログで、滋賀県で一番小さな街、豊郷町の旧豊郷小学校に、人気アニメ『けいおん!』のファンが大勢が訪れている話題を書きました。
このような、人気アニメの舞台になった場所に行くことを「聖地巡礼」とファンの間では言われているそうです。

それは若い人たちだけの行動の特色ではなく、我々の世代でもロケ地を巡る観光は、昔からさかんでした。
先日の大阪アジアン映画祭で見た、森繁久弥さん主演の東宝映画『喜劇駅前』シリーズ、街道を行くトラックが満艦飾となった東映の『トラック野郎』シリーズ。

それから大林宣彦監督の、あの尾道三部作等です。
私は、この映画で尾道が好きになり、青春18きっぷやら、レンタカーと飛ばしたりして、何度も訪れたことがあります。

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最近は、昨日も書いたように韓国映画やドラマがある種のブームになり、韓国のロケ地を巡る旅行がヒットしています。

fuyusona

今年は、大阪万博開催から丁度40年、この万博が開催された1970年の国内旅行者の数は1億人と言われています。
戦後の経済復興がピークを迎え、世をあげて「レジャーブーム」に湧きました。
しかし、その後の景気低迷と海外旅行人気が高まりで国内旅行者数はは減収が続いています。(1991年:2億人⇒20041億5100万人▲4900万人)

国内の観光地も『映画』を誘客の手段として、各地に出来ているフィルムコミッションとのコラボレーションで、観光の振興を図って欲しいと思います。

3月に釜山フィルムコミッションの事を書いたのですが、大いに釜山に学んでもよいのではないでしょうか?
庄内映画村などは、その好事例かなと思います。

未だ行ったことがないので、詳しくは書くことができませんが、訪れたご経験のある方は、感想をお聞かせ下さい。

『花開くコリア・アニメーション(Korean Independent Animation Film Festival)』

映画事業に積極投資してきた住友商事は、映像作品への投資幅を引き上げています。
又、伊藤忠商事や三菱商事と電通の連携など、商社がアニメ産業tの連携を深めています。
そうした一方で、日本のアニメ産業が韓国などへの外注増加で「空洞化」しつつあることは以前書きました。

私が育った街には在日韓国や朝鮮の人々がたくさん住んでおり、すぐ近くには「コリアンタウン」があります。
小中学校時代には、クラスの中に大抵4~5人くらいの在日の友人がいました。
私の場合、そのような環境で過ごして来ましたので、どちらかと言えば韓国文化を少し身近に感じていたと思っています。

コリアンm

そんな私ですが、韓流ドラマだとか、韓国映画にはあまり興味がなくて、私が見た韓流ドラマは『冬のソナタ』であり、韓国映画は『僕の彼女を紹介します』(2004年)くらいでした。

私の興味とは裏腹に、韓流ドラマ、韓国映画、そして韓国アニメは隆盛を極めています。
これは、以前にも書いた釜山フィルムコミッションにも見られるように、国家の取り組みとして映画制作等文化産業に力を入れるようになったからだと思います。

韓国が映画制作等の文化産業に力を入れるようになったのは、金大中元大統領がアメリカに亡命中、ハリウッドの経済効果を目の当たりにしたのがきっかけだと言われています。
帰国後、撮影所などを設立して、映画産業の発展に積極的に関与しました。
そうした努力が、実を結んで来ているのでしょう。

そこで、わたしも今一度、自分にとって身近な韓国文化の今を見てみようと思い、少し先ですが4月17日(土)に『花開くコリア・アニメーション(Korean Independent Animation Film Festival)』に行こうと決めました。

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場所は Planet Plus One(大阪市北区中崎町2丁目3-12パイロットビル2F(中崎第2ビル))で、時間は、正午から午後4時迄です。

午後5時~6時30分迄に1時間30分は、キム・ヨングン、キム・イェヨン両監督によるワークショップも近くの韓国文化院で開催されます。

webサイトにも書いてあるように、韓国インディーズ・アニメーションの斬新さと独特感、ストーリーを通じて、私なりに改めて'韓国'と出会ってみようと思っています。

詳しくはこちら


文化産業大国戦略 ~人気アニメ『けいおん』でまちおこし~

午前8時前のNHKニュースを見ていたら、滋賀県で一番小さい町 滋賀県犬上郡豊郷町にある旧豊郷小学校の話題が取り上げられていました。

この町は、江州音頭発祥の町として知られる以外は、10年くらい前の1999年に当時の町長が、旧豊郷小学校を施設の老朽化と耐震性を理由として校舎と講堂を解体するとともに新校舎の建設を目指す方針を打ち出し、町議会もこれを賛成多数で承認したものの、地元町民から歴史のある校舎を取り壊すことに反対する意見が出さ大モメにモメた事が有名になったくらいで、私は訪れた事はありません。(ただ、建築はあのウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計なので、一度は見てみたいと思っています)
豊郷1

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そんな旧豊郷小学校も役場のホームページによれば、昨年(2009年5月30日)にリニューアルオープンして、教育委員会事務局・図書館・展示室・子育て支援センター・シルバー人材センター・老人会・ネット湖東事務局が置かれているようです。

NHKニュースでは、校舎のリニューアルと合わせるかのように、人気アニメ『けいおん!』の主人公達が通う京都市内の架空の高等学校校舎が豊郷小学校旧校舎とよく似ていて、ファンのが大勢が訪れろようになり、これに地元商工会も呼応して、これをチャンスに「町おこし」を目的として「けいおんでまちおこし実行委員会」を設立、旧校舎内にアニメを模して「けいおん!カフェ」の開業や、オリジナルグッズの開発・販売等の様子も伝えていました。

系オン

さて話は変わりますが、やはり今朝のメディアの伝える中から一つ、今朝の讀賣新聞に経済産業省が策定した「文化産業大国戦略」の原案が紹介されていました。

戦略案の概略は
1.個別の海外展開が難しい中小企業に対し、日本貿易振興機構や民間コンサルタントなどが連携。商品開発から現地での販売契約まで一貫支援する「海外ビジネス支援機能」の整備。

2.コンテンツ(情報の内容)産業の海外展開を支援する官民出資のファンド設立、日本の流行文化や生活様式を発信するアジア主要都市でのイベント開催を提言。

3.海外クリエイターの受け入れを目指し、出入国管理・難民認定法の「就労を目的とする在留資格」の見直し検討

です。
日本のアニメは国際競争力が高いと言われていますが、新聞によると、コンテンツ産業の売上高のうち輸出の割合は、

日本⇒2%
米国⇒18%

と大きく差がついています。又、世界のコンテンツ産業やファッションなどの文化産業は2004年の総売上高が約45兆円、関連雇用は215万人に達するとも言われています。
我が国政府は、これまでの工業製品輸出偏重から脱却すべく、この「文化産業大国戦略」原案を6月にまとめる新成長戦略の柱にしてほしいと思います。


滋賀県豊郷町の例は、文化産業で稼ぐ、官民一体の一つのビジネスモデルのようにも感じます。
明日は、韓国のインディーズ・アニメーションフェスティバルの話題を書く予定をしています。

複眼の映像 ~黒澤 明という男.........それは閃きを掴む男である~

私は、映画の作り手が、いかにして素晴らしい作品を作ってゆくのか、そのプロセスが大好きで、ここ数日は、そんなことばか書いています。
今日も、昨日に続いて、脚本家の橋本 忍さんと黒澤 明監督の初めての作品『羅生門』誕生秘話を描きます。

橋本 忍さんは黒澤邸を出ると同時に、後悔と慙愧が始まったと著書『複眼の映像』(文集文庫)で書いていらっしゃるくらい『藪の中』を原作にした「雌雄」に『羅生門』を入れることは容易ではなかったようです。

「雌雄」は映画にして40分くらいのシナリオで、これを興行上の鉄則である90分~120分のシナリオにするには、かなり長くしなくてはなりません。

橋本さんは、さまざまに思考を巡らせて、「雌雄」を長くしました。
約一カ月あまりをかけて書き上げたシナリオは、ご自身が「ブザマな失敗作品」と評するような仕上がりだったそうです。

(F・1)
血のような夕焼け空に、黒く浮かびあがる巨大な門。

これが完成したシナリオ『羅生門物語』のファーストシーンです。
このシナリオは、後に黒澤 明監督が加筆して、タイトルも『羅生門物語』から『羅生門』になりました。

橋本 忍さんは羅生門と言う作品を通して、黒澤 明監督の人物像を、著書でこう書いています。

黒澤 明という男.........それは閃きを掴む男である。

それから、やはり『羅生門』を契機に黒澤 明監督とご一緒に仕事をするようになった世界の「ミヤガワ」こと宮川 一夫カメラマンは、黒澤監督の事を、こう言っています。

miyagawa

「黒澤さんが撮っておられた写真、画調というのは、どっちかというと、今でいうドキュメンタリーといいますか、大変シャープな絵をお望みのようだったし、僕は逆にそういう調子のものを撮ったことがなかったものですから、(一部省略)とにかくシャープな絵、今風に言うとハイビジョンのように撮れといわれても、当時のフィルムではそこまでいきませんでした。
そこで僕は台本(橋本 忍さんが書いた『羅生門』のシナリオ)を読みまして、黒澤さんと話した時に、話自体が白黒、それもコントラストの強い絵にしたほうが面白い、という事を伝えたら、黒澤さんも実際はそう考えていたと、と言う(後半省略)
(文藝別冊『黒澤 明生誕100年総特集』より)

宮川 一夫さんが「羅生門」で見せたカメラワークは、こちらに詳しく書かれていますので、ご覧下さい。

シナリオが映画の設計書なら........定規とコンパスがいる!?~映画『羅生門』シナリオ秘話~

脚本家の橋本 忍さんは、師と仰ぐ伊丹万作氏急逝(享年47)に衝撃を受けてシナリオへの足取りを失い、暫くは執筆できないでいた。
シナリオライターとしての復活は、伊丹万作氏の遺訓により「原作物」のシナリオ化以外あり得ないと思うようになる。
書店で「芥川龍之介全集」を買い求める。

「羅生門」「芋粥」「地獄変」「袈裟と盛遠」「世之助の話」「藪の中」「六の宮の姫君」「偸盗」等の作品の中から橋本さんが選んだのは「藪の中」だった。

(F・1)
○山科から関山の路
旅を行く侍夫婦、夫は若狭の国府の侍で金沢武弘、太刀を帯び弓矢を携え馬を引き、馬上には牟子を垂れた女だが....
風で牟子の垂絹が跳ね上がり、美貌の瓜実顔が見える、妻の真砂(文集文庫 橋本 忍著『複眼の映像』より)

橋本さんは、藪の中を僅か三日でシナリオ化した。
シナリオは二百字詰め原稿用紙93ページで、映画にすれば40分から45分くらいで、劇場用映画としては短かった。
橋本さんは、この藪の中を、若い盗人に、藪の中で妻が手込めにされる男の話から、この作品のタイトルを『雌雄』とした。

yabu

それから半年から一年ほどのちに、橋本さんのところに映画芸術協会のプロデューサー本木荘二郎氏から一通の葉書は、黒澤 明監督が橋本さんが書いた『雌雄』を映画化したいと言っている。ついては打ち合わせをしたいので上京されたいとの内容。

『雌雄』は、伊丹万作氏の細君が手元にあった橋本脚本を伊丹市と同郷(愛媛県)の映画監督 佐伯 清に渡し、
黒澤 明監督がそれを譲り受けていた。

上京した橋本さんは、黒澤邸で初めて監督と会う。年は監督の方が、8歳上。
監督の手には『雌雄』の生原稿。

監督が橋本さんに切り出した言葉は

「あんたの書いた、『雌雄』だけど、これ、ちょっと短いんだよな」
「じゃ『羅生門』を入れたら、どうでしょう?」
「羅生門?」
mon

暫く両者沈黙の後
「じゃ、これに『羅生門』を入れ、あんた、書き直してくれる?」
「ええ、そうします」

これがのちに「盟友」と言われた二人の出会いだそうです。

sinobu

ところが、橋本さんが自身何気なく言った「じゃ『羅生門』を入れたら、どうでしょう?」が、実は大変な仕事になるのでした。

長くなるので、本日はここまでにしますが、橋本 忍さんは、著書『複眼の映像』(文集文庫)で、シナリオの事を次のように書いています。

(黒澤 明にとってシナリオは映画の設計書、シナリオが映画の設計書なら........定規とコンパスがいる!?)

続きは、又、明日書きます。

欲しいのは生血だけ ~原作物のシナリオ化秘話 複眼の映像より~

昨日のブログで、トラン・アン・ユン監督がノルウェイの森を脚本化するにあたり、そのポイントを
「原作のストーリーをなぞるのではなく、自分が本を読んだ時の感動、感覚を観客に伝えたいから」と言っていると書きました。

脚本は映画の設計書と言われていますが、脚本(以下シナリオと書きます)には、脚本家がオリジナルで創作するものと、原作があって、それを映像化するために書かれるものとがあります。

ノルウェイの森は後者に属するわけですが、映画監督や脚本家は、原作をどのようにシナリオにしてゆくのか、私は非常に興味があります。
私だったらどうすると?考えながら小説を読むのが好きです。
例えば、浅田次郎の渾身の大河小説「蒼穹の昴」なんかを読んでいると、どうしてこれを映像化するんだろう?このスケールの大きさをどう表現するんだろうと思っていましたが、NHKがちゃんとドラマ化してるので、さすがだなと感心しています。

ところで今、文集文庫の「複眼の映像」橋本 忍著を読んでいますが、この本に原作をシナリオにする秘話が書かれています。

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橋本さんは、自分のオリジナルシナリオを伊丹万作氏(故伊丹十三監督の父)にシナリオの指導を受けていた時、伊丹氏から「橋本君、君はオリジナルばかりだが......原作物には興味がないのかね?」と尋ねれ橋本さんは、面白いものがあればやりたいと答えます。

そうすると伊丹万作氏は更に「原作物に手をつける場合には、どんな心構えが必要と思うかね」と橋本さんに聞きます。

橋本さんは、こう答えます。
「牛が一頭いるんです。」
「牛........?」
「柵のしてある牧場みたいな所の中だから、逃げ出せないんです」
伊丹万作氏は、妙な顔をして橋本さんを見ています。
「私はこれを毎日見に行く。雨の日も風の日も......あちこちと場所を変え、牛を見るんです。それで急所が分かると、柵を開けて中へ入り、鈍器のようなもので一撃で殺してしまうんです」

「..........]
「もし、殺し損ねると牛が暴れだして手がつけられなくなる。一撃で殺さないといけないんです。そして鋭利な刃物で頸動脈を切り、流れ出す血をバケツに受け、それを持って帰り、仕事をするんです。原作の形はどうでもいい。欲しいのは生血だけなんです。」

しばらくして伊丹万作氏は
「君の言う通りかも.......いや、そうした思い切った方法が手っとり早いし、成功率も意外に高いかもしれない、ライターが原作物に手をつける場合にはね.......しかし、橋本君」
「この世には殺したりせず、一緒に心中しなければいけない原作もあるんだよ」
(以上 文春文庫『複眼の映像』橋本 忍著)より引用

橋本さんは、たくさんの原作物をシナリオにして来られましたが、花と竜、白い巨塔、砂の器、ゼロの焦点、霧の旗等
いずれも、橋本さんの考え方が伝わるような作品ばかりです。

『複眼の映像』は、この後、橋本さんと黒澤 明監督との出会い、黒澤監督との初めての仕事である「羅生門」を執筆された時のエピソードが実に興味深く書かれていますが、今日はここまでにして、映画「羅生門」のシナリオに関しては明日に書くことにします。

映画『ノルウェイの森』 ~トラン・アン・ユン監督~

先ごろ私は、何人かのアジアの映画監督とお会いしたが、ここにご紹介するのも、ベトナム出身の映画監督・脚本家であるトラン・アン・ユン監督です。

監督


正直なところ、彼の作品は未だ見たことがありませんが、一昨年公開された「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」で木村拓哉を起用したことで、記憶にはありました。

そのトラン・アン・ユン監督が、村上春樹のあの超ベストセラー「ノルウェイの森」を撮っています。
この小説は、中国でも100万部以上が出版されているそうですが、監督はフランス語訳を15年前に読んで、「若い世代が、まだ時間はあると思っていたのに、もう遅すぎると気づく、過ぎ去った時へのメランコリーを強く感じた。と、同時に私がこれを映画化するのは当然だと思った。」(讀賣新聞2010.4.1夕刊より引用)と語っています。

小説は1960年代後半が舞台で、丁度私の青春時代と重なることから、この小説は読みました。
映画のキャストは、ワタナベ:松山ケンイチ、直子:菊地凛子、小林緑:水原希子、キズキ:高良健吾、永沢:玉山鉄二、レイコ:霧島れいか他です。

公開は12月の予定で、今から公開が待ち遠しく感じます。

監督によると、シナリオは何度も書き直したそうです。
「原作のストーリーをなぞるのではなく、自分が本を読んだ時の感動、感覚を観客に伝えたいから」と言っています。

監督は1962年の生まれで、12歳のときにベトナム戦争を逃れるため、両親と共にフランスに移住したと聞きます。
とすると1974年にフランスに移住となると、その一、二年前からアメリカは北爆を再開した頃で、幼少の頃の故国ベトナムでの体験や記憶が、作品にどのように反映されるかに、私には非常に興味があります。

一昨年公開された、「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」では、「映画表現とは、いろいろな感情を肉体を使って見せること。精神的な痛みを肉体的苦痛として描けば、観客にとって、より切実なものとなる」と語っています。

私は、彼のそんな独自の美学を感じてyoutubeから、トラン・アン・ユン監督作品『夏至』の予告編を見つけました。
やはり素晴らしい映像美の一端を垣間見ることが出来ました。

機会があれば、こちらも是非見てみたい作品です。


プロフィール

明日香人

Author:明日香人
各地の棚田保全活動の情報や美しい棚田を紹介してゆきます。

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